クルマの技術革新では電子制御装置をはじめとするセンサー類にばかり注目が集まりがちですが、ヘッドライトも著しく進化を遂げるユニットのひとつです。今やLEDの光源は当たり前となり、レーザーによるヘッドライトもいよいよ市販車に搭載されるようになりました。また、デイタイム・ランニング・ランプ(デイライト)を実装するクルマも増えており、走行灯を巡る装備や環境は、常に変化を続けています。一方、検査においてもヘッドライトは基準の変更などが実施されるなど、アフターマーケットの分野でも変化が大きく、弊社ではこのような時代に対応するヘッドライトテスターをリリースいたします。さらなる作業の効率化と、正確な測定・調整をサポートします。
車両のランプ正対画面と測定結果を一画面化
画像処理方式「HLI-223」はスタイリッシュなブラックカラーを採用するとともに、検査員目線の改良を実施し、機能性を向上させることで、測定時間の短縮を実現しました。モデルチェンジした画像処理方式「HLI-223」はランプ正対画面と測定結果の一画面化により、画面の切り替えを行う必要がなく、測定時間の短縮に貢献します。車両ランプ位置はCMOSカメラによってモニターに表示、正対画面にも十字のラインを示すことで作業性を高めました。
正対画面と測定結果を一画面化した「HLI-223」
視野角拡大とベゼルレスで、モニターの視認性を大幅に向上
自動車検査員が検査中に気になるのがモニター画面の視認性であることは疑いようもありません。測定結果を見誤るミスはあってはならないことであり、またモニターの視認性は作業効率を考えるうえで重要な要素です。「HLI-223」はモニターを従来の17インチから21.5インチにサイズアップしました。従来機のモニターはベゼル(枠)がディスプレイの周囲を囲んでいましたが、新機種ではベゼルレスを採用。その分、モニターを拡大し視認性の向上につなげています。しかも、このモニターは視野角を格段に広めました。斜めから覗き込んでも問題なく画面を確認することが可能です。
モニターサイズをアップし視認性を向上
指定整備記録簿の書式で測定結果を表示
視認性という点では測定結果の画面表示も改良しました。指定整備記録簿の書式で結果を表示することで、書類への記載を円滑にするとともに、記入ミスを防止する対策を施しました。また、基盤にPCを導入することでフォントが見やすくなり、視認性を向上しています。なお、テスターの起動時には審査基準を自動表示します。ヘッドライトの取り付け高さなどの確認などで画面を切り替える必要はありません。
指定整備記録簿(左)に合わせた測定結果画面(右)
車両とランプの各正対の作業性をソリューション
ランプ正対のスクリーンを拡張したことにより、ランプ正対の視認性が向上。ランプの中心合わせを行うレーザーは従来の赤色ではなく、肉眼で視認しやすい緑色を採用し、クロス形レーザーとすることで、ランプ中心の正対も簡単に行えるようになりました。
ランプ中心を見つけやすいクロスレーザー※実際の副灯カバーはグレーです |
照射方向をレバー1つで操作し、スクリーン表示を改良
従来モデルでの照射方向の指示は縦軸と横軸をそれぞれダイヤルを用いて操作しましたが、「HL-223S」ではつまみを採用、円滑な調整が可能です。これにより、従来すれ違い灯の計測のスクリーン表示はダイヤルの目盛りで読み取りをしましたが、新型ではスクリーンに目盛りを表示することで一層数値が読みやすくなりました。視認性と操作性の向上により、効率性とコンプライアンス向上の両立に貢献いたします。
「HL-223S」はつまみ式操作レバーとスクリーンに目盛り表示を採用