（出典：国土交通省電子車検証特設サイト）

2023年1月4日（水）より電子車検証がスタート

国土交通省により導入が検討されてきた車検証の電子化は2023年1月4日（水）よりスタートします。まずは、この日以降に車検を受ける登録車と小型自動二輪車（軽自動車は2024年1月スタートを予定）は、現行の車検証からICタグが付いた新車検証が交付され、順次入れ変わることになります（現行の車検証との併用はありません）。今後、新車検証となった車両の継続検査では、運輸支局に出頭することなく、自社での更新が可能となり、検査の迅速化や省力化などにつながることから、サービスの向上などが期待されています。

A6判相当にICタグが貼り付けされた電子車検証

　電子化される車検証は、仕様が大きく変更されます。サイズは現在のA4サイズから、A6サイズ相当となり、ICタグが新たに貼り付けられます。車検証情報は、変更登録等による記載事項の変更を伴わない基礎的情報のみ券面に記載され、車検の有効期間や使用者住所、所有者情報などの情報はICタグに記録されます。このICタグに記録された情報は、車検証閲覧アプリで参照します。なお、ICタグには車検証情報とは別に、アプリ搭載が可能な記録領域が設けられており、様々な利活用方法が検討されています。

新旧車検証のサイズ比較（出典：国土交通省電子車検証特設サイト）

車検証閲覧アプリで記録情報やリコール情報を閲覧

　車検証閲覧アプリでは、車検証情報の確認以外でも、車検証情報ファイルの出力（PDF等）やリコール情報等の閲覧も可能になります。また、ユーザーはアプリに登録することで「車検証有効期限お知らせサービス」を受けることができます。車検の有効期限が迫ってくると、事前通知として有効期間満了60日前、30日前、そして事後通知として期限切れ１日後の、最大3回の通知がユーザーのスマートフォンなどに届きます。

国から委託された特定記録等事務代行者が車検有効期間を更新

　特定記録等事務代行者として、車検証の有効期間の更新を行うオペレーションは、現在のところ、下記イラストに記載された流れが想定されています。車検の入庫時には委託の設備要件にもなっているICカードリーダー・ライターや専用アプリを用いて、カード情報を読み取り、検査終了後に車検証の更新を実施します。また、検査標章については指定整備工場のプリンターにて印刷・発行を行います。指定整備工場がこのオペレーションを実施するには、継続検査OSSが利用できる体制を整えておく必要があります。

電子車検証更新作業のフロー（出典：国土交通省電子車検証特設サイト）

電子車検証更新・読み取りの専用ICリーダー・ライターが近日発売

　既述のとおり、電子車検証の更新を行うにあたり、指定整備工場はICリーダー・ライターを設備する必要がありますが、はて、どのような機器を購入すればよいかは経営者にとって、悩みどころです。こうした中、電子車検証の更新と読み取りに特化した専用のＩＣリーダー・ライターの発売が決まりました。
　マクセル株式会社が発売する電子車検証に対応した専用機器「M-1850S-NS」は電子車検証のサイズに合わせた専用ホルダースタンドを備えており、電子車検証を上から差し込むだけで通信が可能です。通常のICリーダー・ライターにはこうしたホルダースタンドがないため、風などで作業中に車検証が飛ばされてしまう可能性があります。手で押さえながらの作業では、作業に支障をきたすとともに、ICチップにダメージを与えてしまうリスクもあります。専用ホルダースタンドに電子車検証をセットすることで、これらの課題を解決し、効率的な作業が行えます。電子車検証更新・読み取り専用リーダー・ライター「M-1850S-NS」は近日発売予定です。商品の詳細に関しては、お近くの支店・営業所までご連絡ください。

「M-1850S-NS」は電子車検証サイズに合わせたホルダースタンドによる専用設計（近日発売予定）