7月に入り、梅雨が明けると、いよいよ季節は夏本番を迎えます。近年の夏は気温35℃以上になる猛暑日が増加するなど、高温傾向が続いています。メカニックにとっては最もつらい季節かもしれません。整備工場内の暑さ対策が充分でなければ、メカニックの作業効率も高まりませんし、モチベーションもあがっていきません。この従業員満足度の問題は、離職や採用活動の面でも不利になることが予想されます。また、近年は健康被害のリスクとしても夏場の暑さは特に注意が求められています。とりわけ、6月から9月にかけての4か月間は熱中症にかかる人が増加しており、細心の注意が必要です。
メカニックはお客様への説明や納車・引き取りの場面でお客様と対面することもあり、
デオドラントを含め、夏場の清潔感はしっかり対策しておきたいところです
総務省消防庁報告データによると、全国で6月から9月の期間に熱中症で救急搬送された人は、平成22年以降増加し、同29年には9万2,710人と最多となりました。
また、厚生労働省によると、勤務中の職場内での熱中症死傷者数は平成29年が544人だったものの、翌30年は1,178人と倍増し、このうち、28人が亡くなっています。以降、職場内の熱中症死傷者数は減少傾向にあるものの、死亡者数は20人台のまま推移しており、依然として高いレベルにあります(下グラフ)。
熱中症が起こりやすい環境
熱中症が起こりやすい環境は、気温や湿度が高く、風が弱い状況や、日差しや照り返しが強く、急に暑くなった時も要注意です。したがって、この条件が揃うと熱中症はどこにでも起きる可能性があるといえるでしょう。特に整備事業場の場合、風の通りが悪く、熱がこもり、室温や湿度が高くなる事業場も少なくありません。入庫してきたクルマの熱や検査ラインではエンジンをかけるので、作業場内にはおのずと熱がこもります。整備工場の夏場の環境はかなりシビアといえます。今でこそ、ディーラーを中心にエアコンやスポットクーラーを設置する事業者が増えていますが、そうした事業者はまだまだ少数派ではないでしょうか。
事業場の屋根、トラック・バスのルーフとガラスに塗布する遮熱塗料
暑さ対策の新提案!事業場の屋根とトラック・バスのルーフ・ガラス用の遮熱塗料
近年は、様々な暑さ対策の商材が出てきており、ミラクールもそのうちのひとつです。これは建物の屋根などに塗布する遮熱塗料で、太陽光に含まれる熱の元となる近赤外線を効果的に反射し、建物の屋根や外壁等が太陽熱によって高温化するのを防ぐというものです。高い遮熱効果と耐久性により、職場環境改善に加え、省エネ効果にも貢献、施工事例によると、施工後の室温は10℃から15℃の低下と、電気料金で約1割程度のコストカット効果が報告されています。
また、ミラクールはトラックやバスのルーフ部分、そしてガラス用(可視光線透過率82%で車検にも対応)に塗布できる塗料も製品化され、応用が進んでいます。運転手や作業員の熱中症対策だけでなく、積み荷の温度管理など、高いメリットが期待できます。自社の暑さ対策をはじめ、大型車ユーザーにも提案できる、ミラクールに要注目です。
また、整備工場の暑さ対策として、注目を集めているのが、微細な霧を噴霧し、その気化熱(蒸発冷却熱)によって、室温を下げるミストシステムです。導入コストのみならず、ランニングコストは冷房に比べて高くはありません。
弊社が取り扱うミストシステムは工場に合わせた設計が可能です。また、レインボーミストは扇風機に取り付けた6つのノズルからミストを噴霧し、送風するミストファンです。キャスターが付いているので工場内の移動が便利になります。
用途に合わせたミストシステムの設計も可能です
キャスター付きのレインボーミスト(WM-560D) | 6つのノズルからミストを送風 |
汗の気化熱を利用した涼しさに加え、専用バッテリーを使用して送風を行う空調服は、今や様々な業種のエンジニアが着用されています。最近は整備業界でも空調服が認知され、メカニックの利用が進んできました。弊社が取り扱う空調服は、大容量バッテリーと2つのファンを内蔵しており、長時間・高出力の送風が行えます。また、透湿性の優れたポリエステル素材を採用し、はっ水性も高いため、屋外でも快適な使用が可能です。
ネイビーのカラーがスタイリッシュな空調服
日本気象協会が発表した今年7月から8月の全国の気温傾向は、「平年並みか高めの所が多いでしょう」と予想しています。また、梅雨明け後は厳しい暑さとなるため、早めの熱中症対策を呼びかけています。
熱中症傾向としては「北南部や関東甲信の内陸部から沖縄の所々で『厳重警戒』。北海道や東北北部でも、日によっては『警戒』ランクになる可能性がある」とのこと。一方の8月では、「東北南部から沖縄にかけての広い範囲で『厳重警戒』。東北北部や関東甲信の平野部でも、日によっては『厳重警戒』ランクになる可能性がある」と予想しています(予想はいずれも5月24日現在)。
このように高温化する日本の夏ですが、「昔は冷房なんてなかった」と、かつての作業環境と比べて、暑さ対策を先送りしてはいませんか。今の日本の暑さはかつてと比べ物にならないほど危険です。暑さ対策とは、大切な従業員を守り、サービス品質向上に繋げていくことではないでしょうか。暑さ対策は社内の安全を守る観点から、弊社では、前述したミストシステムをはじめ、様々なご提案をさせていただきます。是非、ご相談ください。